大学の先輩Ｉ氏が、友人のご主人Tさんを連れて事務所に遊びに来てくれてから数日後、ランチのお誘いをいただきました。

場所は任せるということだったので、なかなか行く機会の無かったサーラ・カリーナをチョイス。ちょっぴり背伸びしてみました。）

味はもちろん、福岡市都市景観賞を受賞した建物（白川直行氏設計）も一見の価値ありです。

お客が少なくなったのを見計らって、許可を得て撮影開始。

「この建物はどう？」

「うん、素晴らしい。特に内部のトポロジカルな構成は素晴らしいね。だけど、なぜファサード（通りに面した建物の顔）をここまでクラシカルにしたんだろう。」

「いやそれはデザイナーとしていつも悩ましいところなんだけどうんたらかんたら」

といった会話を楽しみながら、もう少し時間があるということだったので、急遽、近辺の建築探訪ツアーへ。

「藤森照信さんの住宅作品が近くにあるけど・・・どう？」

「マジで～！？見たい見たい！」（テンション急上昇）

福岡唯一の藤森住宅は、オーナーさんの手入れも行き届き、緑も生い茂ってますます美しいものになっています。Tさんのお気に入り建築リスト入り確実のようです。

次にすぐ近くの松風園へ。

住宅街の中に広がる小宇宙。以前からその存在は知っていましたが、訪れてみると想像以上に良い空間でした。

壮大な庭園も良いですが、住宅レベルの広さでこそ、日本庭園の良さは生きるのかもしれません。

身長２ｍはあろうかというTさんが茶室にいる画を見て、改めて和の寸法を意識したり・・・

暑さにへばる日本人二人を尻目に、Tさんは写真を撮りまくって、大満足だったようです。

次にTさんのリクエストで和菓子処「五島」へ。住居兼店舗の建物は、小さいながら柿沼さんの傑作の一つです。以前このすぐ近所に住んでいたことがあり、良く知っている建物です。その頃から井上のお気に入り建築リストに載っていたのですが、今や建築マップにも載っています。
ちなみにここの最中は絶品です。

店主の方も奥から出てきてくださって、オーナーとしての建築評・柿沼評（大絶賛）を聞かせてくださいました。

時間切れで、ツアーはここで終了。しかし短時間で、かなり内容の良い案内をできたと思います。

Tさんの奥様が福岡出身ということもあって、ほぼ毎年来日（来福）されるそうですから、建築マップに載らない逸品や穴場空間を探しておいて案内するという宿題ができました。

それと英語・・・昔はそれなりに話せていたのですが、「ア～」とか「ウェ～ル（well)」とか「アイミ～ン(I mean)」とか繋ぎ言葉の増えたこと！人間が持つ「忘れる」という能力にただただ感嘆するばかりです。

そして何より、

「今後もぜひ連絡取り合おう！フィンランドにも来てよね。ぜひウチに泊まって。今日のお返しは絶対にするから。」

というTさんの言葉を信じて、

フィンランド行くぞ～！

早速映画「かもめ食堂」借りてきました。