愛するモノとの出会い
この仕事をしていると、強いこだわりをもつ方と出会うことが多いように思います。
以前、僕がリフォームを手がけたGTビル※のオーナー、吉田さんもその一人。浄水通りの美容室、SUITEのオーナースタイリストです。
吉田さんはかなりマニアックな家具オタク。有名な名作や、無名ながら彼の目にとまった名品を沢山所有していらっしゃいます。
↑坊主頭だった頃、僕の顔写真をみて「この人ならよい仕事をしてくれそうだと思った」と依頼してくださいました。
先日髪を切ってもらっている時に、お子さんが大きくなってきて手狭になったので、家具コレクションの一部を放出したいと相談をうけました。
皮のエッグチェア、ポールケアホルムPK22(革張りが2脚、籐編みが1脚)・・・そして、無名ながら逸品だというソファなどなど・・・他にも肘掛つきのセブンチェアや照明、チェストがあるそうです。
そこで、僕のクライアント数人にお声かけしました。
設計を進めるG-AO houseのクライアントご夫婦は、なんと革のPK22を2脚と、無名のソファを即決で購入されました。
このソファは、吉田さんが北欧家具を扱うNESTのオーナーのモノだったのを、頼み込んで購入したとか・・・
家具オタクから家具オタクが奪うようにして手に入れたのであれば、間違いない品なのでしょうけど、中古にしてはびっくりするような金額でした。た、高い・・・この金額聞いて即決したの?
でも、これが愛するモノとの出会いなのでしょう。こいつを愛してる!と心から思えるものと出会えることは、モノであろうが者であろうが幸せなことです。
「これらの家具が生きるように設計してください♪」
と言われ、プレッシャーとハードルが一気にあがりました。僕がつくる建築も愛してもらわないと!
でも、クライアントが愛していたモノが、別のクライアントのモノになり、僕の設計に影響を与えようとしている・・・こんな連鎖は悪くない。家づくりの素敵なストーリーが一つ加わりました。
(※美容室部分はケース・リアルの二俣公一氏が担当。僕はビル改修と住居部分を担当。)
スイート SUITE
福岡県福岡市中央区薬院4-8-5 gtビル
092-531-5252