2回目の設計・・・大きな屋根の家
確認申請まで下りた「大きな屋根の家」。2回目の設計やってます。
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実施設計が終了し、確認申請まで通った「大きな屋根の家」ですが、実は設計をやり直しています。
どの建築家の方もそのようですが、やはり設計をより良いものにしようという熱意が予算オーバーを引き起こします。
大きな屋根の家も予算オーバー。設計は大変気に入っていただいていたので、綿密な減額調整後のオーバー分に関しては予算を都合していただくことになりましたが、後日やはり予算を守りたいとの連絡が。
これ以上の減額は案の良さが失われてしまうので「部屋数などの条件を見直していただいた上で、1からやり直したい」旨を伝えていました。とりあえず引き続き減額調整作業をしようということになり、作業にとりかかりましたが、
「やっぱりやり直したい。」
そのことを伝えるメールを打ち終わり、送信するとほぼ同時にクライアントからも
「条件を見直しますので、お言葉に甘えて別案作成をお願いしたい」とのメールが。
クライアントも僕も、悩みぬいた上での決断でした。
で、本日2案目をご提案。1案目よりも少し小さく、素朴な感じになりましたが、これも気に入っていただけたようです。クライアントを差し置いて、僕が「やり直して良かった。」と心から喜べる案ができました。
ただ、「大きな屋根」という印象は無くなったのでネーミングを考え直さないと・・・
「1案目は誰かこのまま建てたいってヒトいませんかね・・・図面揃ってるから格安で設計できるけどなぁ」
というと、
「ダメです!これ(実現しない第一案)も私の大切なおウチですから!」
と言っていただきました。確かに・・・心の殿堂入り(?)ですね。
「2回も家造りを楽しめる」
というクライアントの言葉に救われています。
こういった手戻りは、本当はプロ失格です。スケジュールや心理的な面でもクライアントに多大な負担を強いてしまいます。当然、事務所の経営面でも大ダメージです。
しかし、良いものを作るための「泥臭さ」みたいなものも忘れずに持ち続けたいと思います。
今回は、僕の「思い」を全面的にクライアントが受け止めてくださいました。幸せな関係を実感できるエピソードでした。
これで最高の家を実現できなきゃ男じゃない。頑張ります。
P.S.
やはり「概算」は大切。今回は慎重に概算をとり、次のステップへ進みます。