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数年前に独立したての頃、家造りサポート会社FORZAさんに登録する際、プロフィールシートの「住宅設計にあたっての考え方」で僕は次のように書いていました。

私の設計は、優れた「翻訳」のようなものでありたいと思います。
ここで原作にあたるのは、施主から提示される様々な条件や、思い描く理想像です。
（中略）
原作の良さ、つまり施主の思い描く理想を120％引き出すこと。これが私の目指す住宅設計です。

あまりに肩に力の入った文面に、こんなこと書いたっけ？と汗が吹き出ましたが、あの時から数年経ち、少なからず実作を作ってきた経験に照らしても、その思いは決してズレていないような気がします。

施主が求めるもののチョイ上を実現する。これが住宅設計に必要なバランス感覚なのではないか、と考えてきました。今でもその感覚は大切にしたいと思っています。

しかし一方で、尊敬する一流の建築家との対談後、「施主のレベルに自分を合わせていていいのか？」とも考え始めています。（この一流建築家との対談はもう少しまとめてから文章化したいと思います）

施主が求めるものが、かなりハードルの高いスマートハウス。

住宅という機能の制約から解き放たれた空間を、どれだけ住み手が住宅化できるかという実験・・・は言いすぎにしても、そんな側面を持つプロジェクト。

先日、「どうだ！」と意気込んで臨んだ第二回プレゼンテーションの後日、次のようなメールが送られてきました。（施主の許可を得て掲載させていただいています）

↑スケールを確かめるためにこんなことまでしてみました。

一番始めにしてプレゼンしていただいた、「1/2 U House」が
何故良かったのかと考えてみると、

あの曲線の建物の中に、キッチン、トイレ、リビングダイニング

全ての部屋が規格外になることにワクワク感を感じました。

今の案ではリビング一部屋だけが曲線になっていて、曲線の空間の
中にいろんな部屋が組み込まれている
わけではないので、少しイメージと違うと感じています

もし予算的に難しいのであれば、曲線をなくしても構いません
今回の案とは違った案を見てみたいです
勝手ばかり言ってすみません
2人とも納得のいく住宅を創りたいので、ご協力お願いします

おいおい・・・「何を使いやすくまとめちゃってんの？」って言われてるよ・・・と、脳天を殴られた気分です。

さて、僕が設定したレベルのチョイ上（はるか上？）をいくこのお施主夫婦。

そろそろ・・・オラの力を・・・