熟成した「熱い思い」を表すオレンジ_はないちもんめの栞
「菓子工房はないちもんめ」の もなか に同封されている栞です。
和の もなか とオレンジって、合わないことは無いんですがちょっと意外な組み合わせでした。普通、象げ色とか小豆色なんかの渋い色をテーマカラーにするんじゃないでしょうか。
だけど、栞の裏を読んで「店主(お施主)」の思いが分かった時、この色を選択した理由が何となく分かった気がしました。
裏にはこうあります。
もなか屋のひとり言
私は永年のあいだ菓子の仕事をしてきました。
初めて作ったのが「もなか」でした。
ひとつずつ手作りからの出発でしたが
そのうち大きな機械で効率よく
一日数万個も出来るようになりました。
美味しいものを均一に沢山作りたいと考えていましたし
又それが目標でもありました。
しかしその行き着いた先が、大量生産では私の納得できる
味が出せないとの結論でした。
いま小さな鍋を並べて三日間かけて餡をつくる・・・
そんな作り方をはじめました。
季節に合わせて原料を変え
餡の練り上げの温度も微妙に調整をします。
おおげさに言わせてもらえば
「餡と向かい合い話し合う楽しい毎日」。
菓子屋冥利とでもいいましょうか、ありがたいことです。
すこしずつお店に並べます。
ご賞味ください。
菓子工房 はないちもんめ 店主
もなかの原料は外皮は餅米だけ、餡は小豆と砂糖それに少量の水飴と塩だけ。単純な原料の組み合わせだけに良い小豆探しからはじめました。岡山県笠岡市の考藤商店の手選りの備中小豆は契約栽培で一年中低温貯蔵された優れたものでした。おいしいもの作りに近道はありませんでした。長い歳月が教えてくれました。
派手なキャッチコピーや言い回しは一切ありません。でも胸がとても熱くなりました。
この もなか が僕の設計した建物で作られ、売られていく。
感動モノです(´~⊂
もなか のブランドが高まるにつれて、建物も人々の記憶の中に定着していくのではないかな、などと期待しちゃいます。
店主(お施主)は、数十年かけてお菓子の大きな流通を作り出した方です。その業界では誰もが認める「成功者」です。その方が、今もう一度原点に戻ろうとしている・・・
多分、すごく熱い思いを胸に抱いているのだと思います。
僕も、夢や目標に対して熱い思いを抱いていますが、色で表現したら恐らく原色である「赤」なのだと思います。
豊かな経験や確かな知識に基づいた「熱い思い」は、ひょっとすると上品で洗練されたオレンジが一番合うのかもしれません。